ポーターを読む

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ポーターを読む (日経文庫)

ポーターを読む (日経文庫)

競争の戦略

競争の戦略

学生時代に読んだっきりになってたポーターだけどもう一回薄い本を読んでみて復習します。こういうのは何度でも読み返してその時代や状況に合わせて自分なりに咀嚼しないとだめですね。社会人だったら、経営にたずさわるんだったら、など状況の数だけ理解の数がありそうだから。

企業の競争力はポジションで決まる。

どこに自社を位置づけるか。ビジネスの良い場所を陣取るか。しかしながらビジネスの良い場所というのは必ずしも全ての企業にとって良い場所ではなく自社にとってのみ良い場所であることが望ましい。

メモ

自社にとって居心地が良い場所だけど他社にとって居心地の悪い場所を如何に作るか。動物でいえばコアラユーカリを食べるけど他の動物にとってユーカリは毒である。まさしくこの関係じゃないかみたいな。自分たちでしか料理できない素材がある、説明できない商品がある、故にそれらは利益率が高いというのができないといけないですね。

買い手が優位になる状況

買い手の競争力が強い。つまり価格の決定において買い手が優位になる状況は次の通り。

  1. 買い手の購買力が強い場合。例えば相手がトヨタで自分が自動車部品メーカーの場合。この場合には価格の交渉権がトヨタにしかない。例えば媒体社の場合。相手が電通で一社独占の場合。価格は電通が決めて媒体社は何も出来ないということにもなりうる。
  2. 買い手にとって自社製品の割合が高い場合。同上。
  3. 製品が差別化されていない。汎用品であれば価格によってのみ判断が行われる。あるところでしか買えない、得られないサービスであれば価格の問題ではなくなる。
  4. スイッチングコストが低い。切り替えが容易に行えれば別にどこで買ってもおなじ。習熟などが必要であり、その結果切り替えが難しい。切り替えることにコストが発生する仕組みがあれば良い。
  5. 買い手の収益性が低い。買い手が儲かっていない、利益性が低ければ価格にうるさくなる。儲かっていて利益率が高ければ価格にうるさくなくなる。
  6. 買い手が上流統合の脅しをかけられる。
  7. 買い手の最終製品の品質に影響を与えない。
  8. 買い手が十分な情報を持っている。
メモ

買い手が有利になる状況を如何に「減らすか」が自社にとっての競争優位を作ることとなる。つまり上記の要素の逆を効果的に作り上げていくことがなにより寛容。まず自社でできることは製品が差別化されていること、スイッチングコストが高いことだろう。つまり自分たちからでしか買えない商品で、いったん買うと他の商品が買えなくなるほどの利益をもたらす、そしてその価値によって他の商品の切り替えが困難になるというものを作り出すことにある。広告でいえばOvertureのキーワードドバイスツールや、Googleの広告管理・出稿画面などはスイッチングコストが極めて高いことになり優位性がある。Googleにとってのdoubleclick買収のねらいもこういうところにある。

戦略ポジション

  1. とにかく安く作る→低コストポジション。生産効率を上げる、部品コスト・原材料費を下げる、販売コストを下げる、間接部門の効率を上げる。
  2. より良いものを作る→差別化ポジション。製品そのものが優れている、サービスが優れている。

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図のAでは低コストポジションを取りながら、差別化ポジションを取るという戦略が真ん中の矢印として表示されている。しかしながら点Bに到達すると低コストポジションか差別化ポジションどちらかにしか移動できなくなる。これが戦略ポジションにおけるトレードオフの状況。

メモ

中途半端なポジショニングが一番悪い。まずはフロンティアに移動し、そこから差別化を図っていくことが必要だ。例えば日本のネット広告で差別化していくならなんだろう?高い方向にいくなら記事広告、専門記事でallaboutかnikkeibpか。安い方向に行くならモバゲーmixiか。それしかないか?

様々なトレードオフ

  1. 顧客選択。低価格と高価格は共存できない。子育て中のファミリー層向け製品は若年層には受けない。
  2. 提供価値の選択。信頼性と新技術は多くの場合トレードオフ。自動車の場合、燃費とスピード、乗り心地とスポーティな足回りはトレードオフエンジニアリングの向上にかけるか、ブランド構築・販売店のサービス向上にかけるかもトレードオフになりがち。
  3. 活動の設計。営業活動を考えてみる。量で勝負する場合。顧客訪問の頻度や活動量を向上させると、管理は活動量が中心となり、営業も資料も使いやすく基本的な内容を標準化したものになる。一方、質で勝負する場合。営業を顧客グループ毎に分けて専門化し、トレーニングを充実させ採用時にも質を重視して育てていく方針となる。このように質と量はトレードオフになる。
メモ

活動の設計が気になる。多くにベンチャー企業の場合人員が少ないから質で勝負する、という判断をし聡明な営業を取ってくることが多い。しかし例えば少数で質を重視しながらも非常にスケールするような広告ネットワークや販売ネットワークができれば質も量も追いかけられるのではないかな?Googleとかはどうしているか。Overtureは結構人手でがんがん回しているということを聞くけど。